「天!勝手に走り出すなよびっくりするだろうが」 「まさか付いてくると思わなかった」 「いや付いていくだろ!?」楽が物凄い勢いで詰め寄ってくる。楽の顔は本当に一般人なのかというくらいかっこいいのだが、目付きなどがキツめなためわりと怖い印象を与えがちだ。例に埋もれず陸も怖かったのか天の制服の袖を摘み天の後ろに隠れてしまっている。「楽、ひとまず落ち着いて陸が怖がるでしょ」そう言うと言葉を詰まらせてすごすごと引き下がる。 ボクは一つ息を吐いてから縮こまる陸のほうを向いて「大丈夫だよ」と手を握ると安心したのか顔をほころばせた。「…とりあえず紹介しないとね。陸こっちは僕の学校のクラスメイトと先輩全員部活が一緒なんだ」 「あっそうなんだ!」