久しぶりに陸と会える時間が出来て、少し浮かれていたんだと思う。合鍵を使ってボクが借りたマンションに帰ってきて、ボクの顔を見た途端満面の笑みで「天にぃただいま!」なんていう陸を抱きしめる。「ふふっ天にぃどうしたの?あっまだご飯食べてない?さっきスーパーで適当に…んむぅっ!?」 ごとりと音を立てて、陸が持っていた袋が落ちる。 ご飯より、陸が欲しくて少し強引に口を塞いで、腰と頭に手を回す。 「ご飯なんかより陸、陸が欲しい。」 途端に顔を真っ赤にして、眉を下げる顔が愛しい。 「ん…でもそしたら先にお風呂入りたい…」 「ボクは気にしないけど?」 「もう!私が気にするの!」 ボクは陸の匂いが好きだから、構わなかったけど潤んだ瞳で「ダメ…?」なんて言われたら敵わない。 「わかった、先に入ってていいよ。後でタオルとか持っていくから。続きは上がってからにしよ?」 そう言って頰にキスをすると、陸は首まで赤くしてパタパタと逃げるように行ってしまった。