“クレドール”は、日本人の感性と精緻を極めた職人芸により生み出されたブランドで、1974年に誕生した。ブランド名はフランス語で「黄金の頂き」を意味し、名前に相応しく、ムーブメントからパーツひとつひとつに至るまで、名工による至高の技術を注ぎ込んでつくられており、そのクオリティの高さは世界的にも認められている。今回のモデルではブランドのさらなる飛躍を日本の伝統工芸である漆芸により表現した、古来より繁栄を願い描かれてきた鳳凰が空に駆け上がる姿をダイヤルに表現している。煌びやかな螺細細工・蒔絵と、漆黒の漆塗りがレイアウトされた大胆なデザイン。世界的に知られる漆芸家。田村一舟氏が螺鈿とさまざまな蒔絵の技法を組み合わせてようやく完成したものだ。周年記念の「25」分(5時)に位置する鳳凰と12時に位置する「クレドール」のマークは、田村氏の真骨頂である高蒔絵で表現されている。鳳凰とともに描かれた風や雲は、細かく切った短冊状の螺鈿と微細な金・プラチナの蒔絵で描かれている。一見、直線に見える線状の蒔絵は、金粉、プラチナ粉を一粒一粒、丁寧に置いていった点の集合体というこだわり。今回の企画のために田村氏自身が手づくりした筆が使われているという。裏蓋はシースルーになっており、ムーブメントは初代キャリバー6870同様に、金色のムーブメントを採用している。「Caliber 6870 25th Anniversary」と限定シリアルナンバーの刻印まで入る。日本の職人芸をまざまざと見せつけた記念碑的なモデルだと断言できよう。