初めての海外での仕事。 常夏の島で、3日間ほど写真を撮りまくられている。 しかも今日の撮影は、プライベートビーチで戯れる4人、と言うのがテーマらしい。 次回のライブのパンフレット用のため、姉鷺はいつも以上に仕上がりに拘っているようだ。 因みに今は楽が1人で撮影を行っており、他の3人は休憩中で。 炎天下に置いていた身体を、パラソルの下で休ませているところだった。「ああ……あっちぃー…」 「楽、温度上がるから言わないで」 「んだと⁈」1人の撮影を終えて戻って来たばかりの楽がひとりごちると、それを聞いた天から容赦ない言葉の刃が飛んで来る。 働いて来たのだから、冷たい飲み物の一杯でも出したらどうだ、と楽が詰め寄ろうとしたその瞬間。「あーつーいーよーてーんーにーいー」そんな険悪なムードを一掃するような、暑さに溶けた声が響いた。 レジャーシートに俯せて、たれている陸が、もちろん声の主だ。 「…陸。冷たくなるシートがあるから、こっちおいで?」 「ほんと?」 「……この扱いの差…‼︎」 「何か?」 「あーあー、何でもねーよ」 「楽、混ざりたいんだよね?」 「んなわけあるか‼︎」 「じゃあ、龍とやれば良いじゃない」 「そういう問題じゃない‼︎」 「え…俺、冷たくなるやつ持ってない…」 「そこじゃねーし‼︎……何だこの、深刻なツッコミ不足は…」 「楽さん、ツッコミすごい‼︎」 「⁈……そんなキラキラした目で見てくれるな…陸…」