「陸!!」 「天にぃ!!」 足元でひしっと抱き合う2匹に、楽はしょうがねぇなとその頭をひと撫でしてから、ご飯の準備をするためにキッキンへと向かう。その後ろを、ご飯ご飯と鳴きながら着いてくる2匹を見れば、先程のイタズラなど水に流してもいいような気分になってきた。 いや、危ないから止めなければならないが… (それにしても…) 出会ったばかりの頃に比べたら、随分と懐いたものだと思う。 保護したばかりの頃は、お互いにかなり距離をとっていたからだ。 助けたはいいが、やはり一度捨てられた身。 裏切りを知っている2匹は、こちらを警戒したように部屋の隅から動かない日々がしばらく続いた。 さらにこれまで一度も動物など飼ったことのない楽は、警戒する猫たちにどう接すればいいのか分からず、それでもせっかく保護したのだから死なせるわけにはいかないと、食べ物だけは与えようと毎日ご飯と水だけは用意する日々。 最初の変化は、ある日いきなりやってきた。