「おやすみなさい。」 寂しげに揺れる瞳に後ろ髪をひかれつつ今日は本当陸には色々ありすぎた。体力も凄く消耗している。そう思うと一刻も早く休ませてあげたくて僕は病室をあとにした。 (本当・・・陸ったら・・・) まださっき陸に言われた言葉が僕の中で繰り替えし、繰り返し反芻されてる。普段めったに泣かないけど 今回ばかりは降参。 腫れないようにそっと涙を拭いながら廊下を歩く。 また明日と言えただけでも本当に嬉しかった。あの別れが最後にならなかったことも。 もう僕があの悪夢を見ることはないだろう。やっと止まってしまっていた僕らの時が動き出す。 まだまだ問題は山積みだけど 今だけはこの幸せに浸っていたい。 この幸せが続く限り、この先何があろうと僕は頑張れるから。