パフォーマンスを終えてグループごとに感想を訊かれているとき、やはりと言うか案の定と言うか、どちらも同じ意味だが、ひゅうと喉の引き攣る音が不意に出た。 みんなが一斉に心配そうな視線を向ける中、有無を言わさぬ完璧な微笑を携え、カメラのフレーム外までエスコートしてくれたのも。 非公表の発作がスタッフにバレないよう、かなり疲れているから一旦引かせてくれとひとこと残し、そのまま楽屋まで肩を貸してくれたのも。 いずれも、いざというときこれ以上万能な人間はいないと言わしめる、ナギのナギたる所以であった。 どのくらい経っただろうか。 スタジオからIDOLiSH7の楽屋まではけっこう距離があったので、あの灼けるような拍手は届かない。 発作の後は上体を起こしている方が楽なのだが、張り切りすぎて疲弊しているのも事実で。 まだみんなは立っているのに、とやるせなさに苛まれながらも、陸は、つま先が少し飛び出る簡易ベッドに身を横たえた。