これを実現させたのは,なんといっても効果的な向精神薬の開発,精神科リハビリテーシヨンの発展,そして,これらを融合した精神医療全体の進歩によるといえる.言い換えれば,今日の精神医療において欠くことのできない生物学•心理学•社会学的アプローチの発展によるところが大きいのである.具体的には,効果的な向精神薬の開発が生物学的アプローチを充実させ,精神科リハビリテーシヨンの発展が心理学•社会学的アプローチを充実させてきたのである.また,これらのアプローチは,相補的な関係にあるため並行して進めることにより,患者への望ましい効果が期待できる.