「炭治郎、一回しか言わねェ。だから、よく聞け。俺は、お前と番たいと思ってる。それは、お前のことを心の底から愛してるからだ。そのことは、前にも伝えたな?お前が番にしてほしいと頼んだ時に反応できなかったのは、お前が言ってくれると思ってなかったからだ。お前は、辛い思いをたくさんしてきた。だから、噛まれるっていうのも、繋がるって行為も辛いと思ったんだ。お前さえよければ、俺はもっと炭治郎に触りたいと思うし、深く交わりたいとだって思っていた。だから、逃げるなよ…。頼むから、やっと、やっとのことで愛しいお前がこの腕の中にいたんだ。だから、ここに戻ってこい。」そう言うと戸が勢いよく開き、腕の中に愛しくてたまらない人が飛び込んできた。赫い瞳から大粒の涙を流しながら。「さね、さねみさっ…ぅ。お、おぇ、た、ぇなきゃって、おも、て…ぅ」炭治郎の手の中には、俺のなくなった1枚の羽織があった。