何年ぶりに乗るかと考えるほど懐かしい遊具、ブランコに座って街灯に照らされている彼と話す。「て言うか朝、良く俺に声かけたよね」「ヤンキーみたいな髪色だから初対面の人には怖がられるんだけど」いつの間にかタメ口になっていたさとみさんに謙虚に期待を寄せながら、話に添った。『えー、そうなんですか?綺麗な髪だなあって思ってたんですよ私』「俺も羽夜ちゃんの事初対面だけど可愛いなって思ってたよあはは」ぱっと頬が熱くなるのが分かった。きゅんってしたんだけど、無理無理恥ずかしい…『あの、これ!ココアです』「ええ、ありがとう」照れ隠しする為に先程買った缶ココアを差し出した。さとみさんは萌え袖で缶々を包んで、頬にくっ付けた。待って、めちゃくちゃ可愛く感じますその行動っ…『あの、聞きにくいんですけど…今日の朝の後って』会話を広げる為に一日中気になっていた話を回す。さとみさんは、私から視線を逸らしながらゴクリと喉を鳴らした。それさえ絵になるから悔しい「あの後、相手に会って映画見てイルミネーション見に行ったんだけど」「少しイルミネーション見てから、プレゼント渡してさあ」「告白したよ」偉いでしょ俺、なんてこれ以上言わなくても分かるだろ?と訴えている瞳で私を引き込ませる。これ以上言ったら私もそうなるかなそうだよ、今朝会った初対面の人に一目惚れしたら運良くまた会えることになってさ好きだなって思えるだけで充分な筈なのにさ。『私は』『私だったら』『そんなことしないのに』こんなの我が儘だって分かってるこんなの変だってさ、引かれるくらい分かってる。でも、その想いを追いかけずには居られなかった。next→