週刊誌のおじさん達に会った翌日。 学校に行ったら、みんなから聞かれた。 「九条天の妹って本当?」と。 あのおじさん達に絡まれている間、近くを通りかかったクラスメイトがいたらしく、その子を始点に、どんどん噂が広まっていたらしい。 内心焦りながらも、とぼけた様子で「違うよ」と答えた。 ただ、質問攻めにあっていた私を心配してくれた親友の子達だけには教えた。 秘密にしてくれると思ってた。だから打ち明けたのに。 次の日には、私が妹だという事が、周知の事実になっていた。 クラス内に留まらず、学年全体、先輩や後輩、先生達にまで。 学校中のみんなが、私をいろんな色のこもった目で見るようになった。『羨ましい~!天くんがお兄さんとか最高じゃん!』 『あ…あの人が噂の?可愛いけど、天様に比べたら別に…』 『なんか陸って浮いてるなあって思ってたんだよね。とりわけ可愛いからかなーとか思ってたけど、天の妹とか普通じゃないから、その違和感だったんだわ』 『陸が友達で良かった~。だって九条天の妹が友達って、ステータス上がるもん』 『七瀬さんは、将来は芸能界デビューするの?進学しても、有名人の妹って色眼鏡で見られちゃうかもよ。先生心配で…』 『ねえ。天くんの住所と連絡先、ホントに知らないの?絶対秘密にするから!ねぇ言ってよ~』