叔母というには歳の近い、姉のようになれたであろう海と再会できないまま死という永遠の別れが二人を阻む。双子が楽のことを話すときにはいつも海がおり、海が全力で楽を応援していたことを今双子が体現していることに胸が熱くなる。だからこそ忘れてしまったことが悔しくて堪らない。それに恩返しという言葉に引っかかりを感じる。「なら、これでも見ておけ。お前はもう子供ではないから一人でも海に会いに行こうと思えば行けたのに話さなかった私が悪い。」 「っうお!?お、親父!?いつの間に...」 「様子を見にきただけだ。すぐに事務所に戻る。それは、海から送られてきた写真を纏めたものだ。ほとんど天と陸しか写っていないが、最初の一枚は私が撮ったものだから七瀬と海が写っている。」そういって再び家を出て行った宗助にポカンと呆気にとられていると、天と陸が近づいてきてそれをみせてとアルバムを指差したところでハッとなる。「んだよ親父...いきなりきて渡すだけ渡して戻りやがって...」 「にぃにこれみせて!」 「しゃしんだよね?」 「分かった分かった。大人しく座れたら見せてやるから。」