「天にぃ、覚えてる?」 「なんとなく、だけど。陸は?」 「オレもなんとなくしか覚えてない」 「と、いう訳ですので『天の声』さん、解説お願いします」互いの記憶を確認し合うと、天は淡々と進行を促した。【畏まりました。それでは解説させて頂きます。この写真は九条さんと七瀬さんが三歳の頃に撮ったものだそうです。何でも、この時のお二人は太陽の光が差し込む窓際で日向ぼっこしており、『太陽の光がキラキラしていて綺麗だから互いにあげたい』といって窓越しの空へ頑張って手を伸ばしていたそうです。】あまりにも諦めずに手を伸ばしつづけているものだから、記念に撮ったとのことです、と続けれた解説に、周囲は「この双子は昔からブラコンだったのか」と遠い目をしていた。しかし、解説を聞き終わった天と陸は納得したように頷いた。「ああ、やっぱりあの時のか」 「父さんたら、いつの間に撮ってたんだろう」 「あ、陸は気付いてなかったんだね」 「え、天にぃ気付いてたの?」 「うん、まあね」 「えー…」「ちょ、ちょっと待て!陸も天もストーップ!」