座席上部のランプが切れているのを確認してスマホを取り出し、カレンダーを開いた。成田についたらひとまず東京に戻る。事務所に連絡をしてから、病院に予約をして、数日は多分検査入院。大方結果は分かっている。診断書を手に入れるための儀式だ、そしてこれからの動きの指標とするための。
到着は日本時間で夜の予定。
考えなければいけないことはあるけれど、今は眠る以外にすることがない。
夜ということもあって、国際線のルートに人は疎らだ。
俺は即座に荷物引取り用のターンテーブルを経由し、出口へと続いていくホールに向かった。
そして、硝子扉を抜けた所に待っていた、思いもよらない人物に息を呑んだ。
「おかえり、赤也」