紗夜side「お時間がやってきたので、今日のパスパレ放送局はこれで終わりになります。また来週お会いしましょうね。それでは。」 私はラジオのボタンを消した。「…白鷺さん。」 あんな顔されたら断れる訳ないじゃない…。「ショッピングやお茶なら…」 「…是非。」 あんな嬉しそうな表情されれば…。 私は自分でよく分からない気持ちになっていた。 普段の大人びた彼女の顔からはイメージ出来ない、女の子の顔。「白鷺さん、貴女の本当の顔はどれなの?屋上の時の笑顔?それともパスパレといる時の笑顔?ドラマの時の表情?」 彼女は器用に見えて意外と不器用なのだと最近知った。 「器用ならあんな表情しないわね。」 私はそう思いスマホを取り出し 「白鷺さんお仕事お疲れ様です。日曜日の件ですが…白鷺さんの行きたい場所へ行きましょう。ちなみに映画でも構いません。」 私はそう送りスマホを机に置いた。 私も貴女の事もっと知りたい。私は窓ガラスに映る自分にそう呟いた。