「解った、解りました。貴方にも差し上げますので。でも、くれぐれもご內密に」 それを聞いたメイドさんが、コクリと頷く。 こういうタイプは苦手だ。下手に斷ると、いきなり刺されるかもしれん。 プリムラさんが気まずそうな顔をしているが、彼女は確かに何も言っていないからな……。「それはそうと、お父様。今日はアレの実験の日ではありませんでしたか?」「そうだ。品物が出來上がったと職人から聯絡があったので、今日の午後に試験をするよ」「それならば、そこでケンイチさんが持っている物も一緒に見ていただきたいのですが」「外でか?」「はい、大きな物なので」 彼女が言っているのは、ドラム缶風呂の事だろう。しかし新製品の試験って言ってるな。何を作ったんだろう? ちょっと気になる。