ディスプレイ造形家になるには
ディスプレイを職業としたい人に対しての話をしましょう。
とはいえ、デコレーターではなくて、ディスプレイ造形家としての職業です。
ディスプレイ造形家はディスプレイ企画をする人と、ディスプレイそのものをつくる人、両方を併用する人に分けられます。
ディスプレイ企画をする人は、「こんなディスプレイをつくってね」とディスプレイ造形家に発注したり、相談します。
ディスプレイの企画する人は、CADやスケッチ、イラレのデザイン画、 設計図を通して発注する場合が多いです。
オーバルリンクの場合は、3DCADと設計図面が多いです。
ディスプレイ造形家は、素材で専門が分かれます。
紙、金属、木工、粘土など、ディスプレイを形作る素材によって専門家が分かれます。
うちのUさんは、紙が得意で、色々なクライアントの紙造形をつくっています。
一人のディスプレイ造形家が、紙も木工、粘土も行う・・・ということはありますが、得意分野として素材に偏っています。
だから、発注者側は、どんな素材に精通しているかということで、ディスプレイ造形家を選定します。
例えば、金属金物のディスプレイをつくる方は、バーナーや液体酸素を取扱いしますので、ガスバーナー免許が必要です。
仕事場を覗きに行くと、顔に仮面を当てて、ジリジリやってますよ。
粘土はとうぜん、釜が必要ですね。
ですので、ディスプレイ造形家になりたいと思ったら、どんな分野に精通するか、意思がなければいけません。
ところで、ディスプレイといっても、オブジェや什器、小什器が多いです。
家具メーカーでできない難しい造形物をつくるのをディスプレイ造形家は得意としますし、大量制作ではなく、伊勢丹のウインドウとか銀座セイコーのウインドウなど、旗艦店に絞った制作が多いです。
あと、仕事の順序として、ディスプレイ造形家が直接アパレルメーカーや百貨店と取引することはありません。多くは、百貨店→施工会社→ディスプレイ会社→ディスプレイ造形家というように三次下請けになっています。
ですからよほど自分なりの個性を披露しないと、あまりもうかりません。
ディスプレイ造形家としての副業として、オブジェの販売や玩具・雑貨製造企画の下請けというのがあります。
オプジェとは、家での置きモノのことです。置きモノを少量生産して、ネットや卸で販売します。自宅の一部を使って雑貨店を経営している人もいます。
こちらも、よほどヒットしないともうからないでしょう。
まとめると、ディスプレイ造形家として大成するには、アーチストとしての兼業を行い、ディスプレイクリエイトのみならず、オブジェの販売、雑貨・玩具メーカーへのキャラクターライセンス販売というのがいいでしょう。
だから、VMDをやりたい!といって、ディスプレイ造形家を目指すのはちょっと違うかな・・・。いやだいぶ違いますね。。。。
VMDは、MDを視覚化させ、売場の生産性を上げる技術なのでディスプレイそのものをつくるのとチト違います。
ディスプレイを職業にするには、いろんな方向があるんですよ。
ご自分のすすみたい方向をまずは向いて考えて下さい。