「なにそれ……、魔法の袋……じゃないわよね?」「まあ、袋の口は広げてないわな。俺の魔法だよ」「魔法? というと空間魔法か?」「そ。ギルドカードオープン」そう唱えると俺はギルドカードを手元に出し、皆に見えるようにする。「ご主人様いけません。他人にギルドカードを見せるなんて」「あーいいよいいよ。この四人なら」「ですが……」「いいから見ましょうよ。興味ないの?」「ありますけど……」ウェンディはそういいつつもしっかりとギルドカードに目を向けていた。そういえば俺もしばらく見ていないな。忍宮一樹 主人公----------------------------------- 忍宮一樹 : 錬金術師 Lv1 HP30/30 → 55/55 MP540/540 → 1020/1020 STR : G VIT : G INT : E→D MID : F→E AGI : G DEX : D→B アクティブスキル 空間魔法 Lv2 錬金 Lv8 鑑定 Lv3 パッシブスキル 農業 Lv1 料理 Lv1 アクティヴオートスキル 狂化 Lv1 ???スキル ??? Lv2-----------------------------------お、結構ステータスが上がってるな。特にアクセサリーを作り続けていたからか器用度のDEXがかなり上がっている。でもHPは相変わらずひっくいな。「ただの伝説が一人歩きした与太話だと思っていたのだが……」「本当に空間魔法ってあるのね」「ちなみに聞きたいんだが空間魔法のレベルが上がるとどんなのが使えるようになるか知ってるか?」「与太話だからな……龍のブレスを吸収したとか、突然まったく別の場所に現れるとか、後は見えない壁を出現させたとか荒唐無稽な物ばかりだ」ブレスがどんな物かはわからないが、吸収っていうのは吸入インプットのことだろう。別の場所に現れるってのが事実なら転移の魔法もありそうだ。見えない壁っていうんがどういう事かはわからないが、空間魔法のレベルを上げていけばわかるのだろうか。「ねえあんたなんで魔法使いギルドに入らなかったの? この魔法があるだけで絶対重宝されるわよ」「いやだって、隼人が伝説級の魔法だって言ってたし、使い手も殆どいないって言ってたからな。面倒なことは避けようと思って」「殆どどころかいたら有名になってるはずだからいないんじゃないかしら……」「私も聞いたことは無いな……」「主、凄い?」「凄いには凄いんだけど、でもこれ戦闘で使えるの?」「いやまず戦闘する気がないですし」ソルテ達のように戦闘を中心に考えてないしな。最初は魔法の袋の代わりだったし、ついでに転移の魔法が使えれば上々程度だと思っていただけだったからな。「勿体無いな。レベルを上げればどんな魔法を覚えるのか気になるのだが」「まあおいおい上がるだろ。普通に材料とかできた物を保管するのに使ってるだけだからゆっくりだけど」「でも上げといて損はないんじゃない? あんたHPとか貧弱なんだからレベルを上げれば護身程度にはなるんじゃないの」「まあ考えるだけ考えてみるよ」空間魔法で何を覚えるのか興味が無いといえば嘘になるが、危険を冒して魔物と戦うつもりはない。