ポンポンと繰り広げられる双子のやりとりに、三月が待ったをかけた。「何、三月兄さん?」 「どうしたの、三月?」同じ方向に首を傾げる双子に一瞬怯むも、なんとか口を開く。「いやいや、お前らこの時の事覚えてる訳?」 「うん、確証はなかったけど」 「オレも、解説聞いてしっくりきたって感じ」アッサリ頷いた双子に、周りも驚きの声を上げる。「凄いな、これ三歳の時なんでしょ?」 「ホント、よく覚えてましたね」 「天も陸も記憶力良いんだね!ね、ダーリン!」 「そうね、母さん」 「今の兄弟設定に夫婦設定プラスされると、人間関係が複雑化するんですけど…」 「突っ込んだら負けだ、大和」 「りっくんもてんてんもすげー」 「お二人ともwonderfulです!」ガヤガヤと各々が感想を言う中で、龍之介が尋ねる。「それで、結局この後どうしたの?」捕まえられなくて泣いちゃったりしたのかな、と心配そうに眉尻を下げる龍之介に、天と陸は目を合わせてからクスリと微笑んだ。「まあ、勿論捕まえる事は出来なかったけどね」 「うん、それで、二人して泣きそうになっちゃって」 「けど、その時陸が隣にいたボクを見て、目をまんまるくしたと思ったら、思いっきり満面の笑みを浮かべてね」