思わず聲おっさんみたいな聲が出るが、おっさんだから仕方ない。しかし、良いお湯だ。この異世界へ來て初めての風呂。<br><br> しかも、森の中ときた。これぞ、スローライフの極地。真似しようたって中々真似出來っこ無い。いや、たまらん。<br><br> いっぺん外に出て身體を洗う──だが気が付いた。汚水の處理をどうしようか?<br><br> ここで生活するとなると、汚水の處理と便所の處理をしなければならない。<br><br> 元世界でも下水も無い所では、地下浸透といって垂れ流しになっているが……あれって臭いんだよな。タダのドブだし。<br><br> 便所は堆肥を作れば良いか──草も沢山あるしな。下から出た物と刈った草を切り刻んで、土と混ぜれば良い。<br><br> ここら辺一帯を耕して畑も作りたいからな。晝の間は光も入ってくるし、簡単な野菜ぐらいなら作れるだろう。<br><br><br> 後は下水か……だが、いい方法を思いついた。<br><br> ステータス畫面のゴミ箱へ捨てれば良いのだ。試しに、さっき食べたカップ麺の空にお湯を入れて、ゴミ箱へ入れてみると……。<br><br> 表示は【発泡スチロールカップ】【お湯】 になっている。そして──ゴミ箱を空にするボタンを押せば……。<br><br><br>「はい、空になった」<br><br> よし、これで汚水の處理は目處がついた──要はゴミ箱へ捨てりゃ良いって事だ。お湯に浸かり、下水の具體的な處理方法を考える。<br><br> コンクリートで沈殿槽を作って上澄みはゴミ箱へ、溜まったヘドロは堆肥にすりゃいい。<br><br> シャングリ・ラにはセメントも売ってるし、コンクリートやDIYに関する書籍もいっぱい売っている。なんとかなるだろう。<br><br> 穴掘りにもユ○ボがある。<br><br> まぁ、そんな本格的な事をしなくても、デカいプラ製のプールにでも溜めても良いしな。<br><br><br> 綺麗な環境を維持するには、手間暇と金が掛かる。昔は、便所は汲み取りで肥溜めも沢山あったし、下水は垂れ流し。<br><br> 街のアチコチにドブ川があって異臭を放っていた。洪水でも起きたらもう大変。<br><br> ドブ川や便所へ水が流れこむと、全部逆流して街へ広がるのだ。街中が異臭で覆い盡くされるという悲慘な狀況になった。<br><br> だが、それを考えると──ダリアの街は綺麗なんだよな。異臭もしないし。<br><br> そういえば、あの街の下水はどうなってるんだろうか? 今度、街へ行ったら聞いてみるとするか。<br style="background-color: rgb(193, 193, 193);"><br><br> だが、いい感じに道が見えてきたぞ。<br><br> 異世界でもスローライフが出來そうな予感がしてきた。
正在翻譯中..
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