『あれ、さとみくん起きてるの珍しいねおはよう』いつもは布団にくるまれてすーすーと規則正しい寝息をしているのだが、今日はリビングに一人で私を待っていたのだ。「おはよう。何かあんま寝れなくて」『あら、まだ寝てて良いよ?ご飯作るし』持ってきた材料を冷蔵庫にしまっているといつの間にかさとみくんは私の横に来て「俺も手伝うよ」なんて普段では想像出来ない言葉を私に届けるのだ。『さとみくん料理出来ないじゃん』出来るだけさとみくんには料理をしてほしくない。料理音痴とかそんなわけじゃないけど、彼が怪我をしたら私の精神がどうなるのか…ああ、恐ろしい「良いの、作るの!」いや、このあざとさの方が恐ろしい『んじゃ、卵割って砂糖と塩入れて置いてくれない?私焼くから』「はーい」それにしても急にどうしたんだろう調理に興味が出てきたとか?…止めはしないけど私の方が上手いしさとみくん好みに出来るんだけど。料理だけは自信があるからね。『あ、』「待ってめちゃくちゃ殻入ったどうしよ。分からん分からん」『あはは、混乱し過ぎだよ。お箸で除けたら良いの、ほらね?無くなったでしょ』兄弟が仲良く料理をしているようにも見えるから良くないけど、夫婦みたいだなあとか思っちゃうよね。「出来た!」『結局さとみくん卵を割ることしかしなかったけどね。私が作りましたね朝食』「いただきます!」『え、無視!?』