何て言葉を掛ければ良いかわからなくて、そんな自分が情けなかった。 それでもどうにか頭を回して掛ける言葉を探していると、天はちらりと陸の方を見てから再び口を開いた。「…和泉三月、ちょっと来て。」 「え…あ、あぁ…。」言いながら立ち上がる天の後を追い、部屋を出ると、天はその場で持っていたスマホを差し出した。「……これ、どうしようか迷ったんだけど君に渡しておく。見ない方が良いと思うし、破棄しても構わないから。…だけど陸には絶対に見せないで。」こんなもの陸の目に入れたく無い。そう言った天はやはり哀しげだった。 一体この中には何が入っているのだろうか。「…それだけだから…ほら、君も宴会に混ざって来なよ。僕はもう少しここに居るから。」天は最後にそう言って、ドアを開けると再び陸の部屋へ入った。 三月は暫くその場に突っ立ったまま、天に手渡されたスマホを只黙って見つめていた。