残念なことに閉園したこの動物園に女はいない。畜生、ここはゲイのたまり場なのか!?そう思い始めた俺に、メスの匂いがして光が差した。首を振り、まず目についたのは珍獣とかかれた檻だ。中に雌の、なんだ?オセロットて書かれてるからそれか?動物がいる。片方は太陽の様な色で小柄で可愛い感じ、もう片方は黒っぽい毛並みで少し冷たい感じの日本美女で2頭とも目がでかくて綺麗だ。中々の上物だな。 「お嬢さんたち、こんにちは。」 おい、なんか知らないが、俺を見た日本美女がもう1頭を檻の両端に閉じ込めたぞ。まるで俺を見させないかのように抱きしめてるし。てか、もしかしなくても姉妹なのか? 「俺は今日ここにお世話になる御堂虎於というんだ。よろしく頼むな。」 「人にものを頼む態度がそれなら、私はお断りします。」 あれ、おかしいな。たいていの女はこれでウィンクしたら倒れて俺の言うこと聞くのに。日本美女、さっきより冷たい目になったぞ。 「一織、苦しいって。」 「姉さん。見てはいけません。あのようなおぞましい獣、万害あって一利なしです。」 「でも、挨拶…」 「有害物質にまで挨拶をするなんて、姉さんはなんて優しいのでしょうか、流石は愛七動物園の太陽。けれどいけません。あれに触れたら天岩戸に閉じこもってしまいます。」 あの日本美女が妹なのか。しかしおかしいな、さっきからところどころ聞こえない言葉があるんだが。彼女は日本生まれじゃないのか?一応俺も英語は話せるが… そうこうしているうちに俺の乗った車は移動し始めた。どうやら俺のホテルはここじゃなかったらしい。 「じゃあな。綺麗なお嬢さんたち、遊びたかったら吠えてくれ。いつでもOKだぜ?」 「去れ、二度と来るな!!下半身獣野郎が‼‼‼」 「一織、言葉が汚いよ!!」 それを見ていたジャガーとピューマが怯えていたことなど、俺も彼女たちも知る由もなかった。 「一織を怒らしたら大変death!!」 「俺たちの共通のラスボスは、一織か…先は長いな。」