スススッとガクの背後に近づいてきた一人の女がガクに話しかけてきたのだが、隣でオムライスを頬張っているテンとリクを指して遠回しに二人が食べ終わったら相手をするという言葉に女は目を点にする。そして、しばらくしてから状況を理解したのかもういいわよ!と怒鳴ってから踵を返したのを見てガクはまたかよと呟くが、マスターはそれが原因だろと言う。「はぁ?だってこいつら置いて行けるわけないだろ?」 「・・・そうだな。」 「どいつもこいつもこいつらがいることに難色を示すけどよ、ほっとける神経してる方がおかしいだろ。」 「・・・・・・・・・そうだなぁ。」ガクの言うことは正論であるはずなのに、女にモテる為となるとそれは足枷になるだろうと思うが口にはしない。こんな真っ直ぐな男は見たことがないというかむしろ変な女に引っかからなくていいんじゃないかとさえ思い始めたマスターはもうモテることは諦めろとガクに告げる。「知り合いにも言われたぞそれ・・・」 「その知り合いはいいやつだな。」