「よしっ!外れた!」「っ!すごい、力だ!」「陸!!」「九条さんこれを!」ーーバシャッ!部屋の横にある給水場へ走って行った一織から投げて寄越されたものを天は空かさず陸にかけた。「はぁ、はぁっ…はぁ」「りくっ、陸」「八乙女さん、十さん、ありがとうございます」ずぶ濡れになった陸に慌てて天は駆け寄った。 掴まれていた手首は赤くなっていて痛そうだったが何よりも陸の首にくっきりついた手跡に天は恐怖を感じた。「なんで、子供の手形が」「七瀬の手より明らかに小さいだろ…マジかよ」「一織くん、さっきのは?」「塩水です。いざというときに使えと万里さんから渡されていたものです。この塩と水を混ぜれば使える物みたいでここに向かう前に渡されました」