「陸、りーく、起きて」 「うぅん・・・て、んにぃ・・・?」安心する声が陸を優しく揺さぶって覚醒を促す。それに応じるように目を開けば、いつもと変わらない優しい笑みを浮かべて陸の頬を撫でながらおはようと言う天がいた。おはようと笑って返すと、もう体調は大丈夫かと聞かれる。「・・・体調?うん。大丈夫だよ。ごめんね天にぃ、オレ発作起こしちゃったのか・・・。」 「・・・?陸、さっきまでどこにいたか分かる?」 「え?どこ・・・?えっと・・・なんか苦しくて怖い思いをしてて、そこに天にぃが来てくれたのは覚えてるよ!やっぱりオレのヒーローは天にぃだ!」 「・・・そう。ふふ、ありがとう。」ギュッと天に抱きつけば、陸を包み込むように抱き返してくれるのがいつも大好きだ。それだけですごく安心できるから、陸は不安になった時や怖かったりした時は必ず天に抱きついて抱きしめてもらっていた。「天にぃ、大好き。」 「ボクも大好きだよ。」陸には天がいれば生きていけるし世界は回る。 だからこそ陸にとって必要のないことはなかったことになるのだ。 だって、いらないのだから。