。『命の危険は特に無いようですから、多分何かしらの変異の途中で起きる副作用ではないかと』 しかし疑似本体型使い魔王に分かるのは、ダグ達の症状が病気や毒に寄るものでは無く、また命の危険が無い事だけだ。「メリッサ……もし種族が変わったらお前に言いたい事が……」「ダグ、不吉だから冗談は後にして!」「いや、別に冗談で死にフラグを立てた訳じゃなくて……本当に言いたい事があるんだよ! ――って、ありゃ? 治った?」 メリッサの腕の中で何とか言葉を紡ごうと奮闘していたダグは、途中で激しい動悸や眩暈が無くなっている事に気がついた。息切れと熱はまだ少し残っていたが、それもすぐに平常に戻っていく。「な、何だったの?」「どうやら、師匠が言うようにあれは変異の途中で起きる副作用だったようだ」 困惑するメリッサに、何事も無かったかのように立ち上がったルチリアーノが額の汗をハンカチでぬぐいながらそう言う。「何が起きたのかは、ステータスを確認して見たまえ。一目瞭然だ」「感じるっ、感じるわ! ヴァンダルー様を強く感じる!」「ああっ、まるであの時に、初めて助けられた時に戻ったようだわ!」「……見なくても何が起きたのか分かる子も多いようだが」「俺は分からないから、ステータスで確認するよ。……冥系人種だぁ?」