曲? まふゆが作ったのかな? それなら.......(聴かなきゃ......!)「ふふ、やっぱり。 奏なら聴いてくれるって思ったよ」まふゆはそう言うと、1度部屋を出ていって、すぐに戻ってきた。そしてその手にはヘッド ホンが握られていた。「これワイヤレスで、しかも遮音性が高いんだって。音質も良いし、集中して聴けるよ。しかも猫耳が可愛い」よくあるゲーミングヘッドホンみたいだっ た。それをわたしの耳につけた。その直後にまふゆは喋った。 うん、喋ったはずだ。口も動いてる。けれど、わたしの耳に、その声は 全く届かなかった。 まふゆの声だけじゃな い。パソコンの音、空気清浄機の音、自分が 発生源の音以外、何も聞こえない。自分の耳 は良い方だと自負していたけれど、自信がな くなりそうだ。 まふゆはちょっと驚いた仕草 をして、パソコンを操作してわたしに見せた