陸の呟きにその場にいた全員の呟きが重なった。 「あの…ここ、どこですか?あなた達は?」 シンと病室内が静まり返った。 「七瀬さん、私達のことが分からないんですか?」 和泉一織の言葉にこくんと頷く陸。 「七瀬…ってオレの名前?」 陸が告げた言葉にその場にいた全員が何も言わなかった。 「と、とにかく先生呼びますね」 いち早く冷静さを取り戻したのはアイドリッシュセブンのマネージャーだった。彼女がナースコールを押すとすぐに先生と看護師が駆けつけてきた。「自分の名前は分かりますか?」 白衣を着た人にそう聞かれ首を横に振る。 「あなたの名前は七瀬陸君です」 「ななせりく…」 言葉に出してみたけれど自分の名前だという実感はわかなかった。 白衣を着た人も周りにいる知らない人達も困ったようにオレを見つめている。 「ここは病院で君は階段から落ちてここに運ばれてきたんですよ」 (頭とか身体のあちこちが痛いのは階段から落ちたからなのか。オレっておっちょこちょいなのかな?) そう思った時ズキッと頭が少し痛んだ。 「っ…」 「痛むかい?」 「少し…」 「なら今日はもう休みなさい」 「はい…」 ベッドに横になると皆部屋から出ていってしまった。