明るくなったら起きるのがこの世界だが、さすがにまだ時間が早い。まだ眠いわ。もう一眠りする事にしよう。 プリムラさんの方を見ても安らかな寢息を立てている。 それにしても俺が若い時に結婚していれば、このぐらいの娘がいてもおかしくはないよな。 しかし同じおっさんのよしみとして、こんな美人で出來た娘を他の男に取られるというのは、どんな胸の內なのであろうか? あのマロウさんの心中を察すると、気の毒すぎて俺は手を出す気にはならない。 しかし俺の行動も、ちょっと迂闊過ぎるかなぁ。 日本語が通じるのと、出會った人が良い人ばかりなので、日本の延長のような価値観で付き合ってしまっている。 隣店のアマナだって、人が良すぎるって言っていたしな。 たまたま出會った人々が良い人ばかりだったので調子に乗ってしまったが、そのうち詐欺や美人局等が、やってくるかもしれないな。 注意しなければ。勝って兜の緒を締めよ──ちょっと意味が違うか? ちなみに、ここら辺では──森を抜けるまでは喜ぶな──と言うらしい。 俺はベッドに入ると再び毛布を被った。