最後の戦いを終えた。<br> ワン・フォー・オールは後継者に譲ったし、その子ももう立派なプロヒーローになって活躍している。<br> 僕も『残り火』でヒーローをしていたけど、それももう段々限界に近付いて来ているとわかっていた。<br> 僕ももう30代後半、アラフォーだ。<br> 18歳から今まで、短い間だったけどプロヒーローとしてしっかり活躍出来た。<br> たくさんの人を救け、たくさんの敵を倒した。<br> オールマイトの後継者として『平和の象徴』と呼ばれた。<br> 20代前半から今まで、ヒーロービルボードチャートJPでNO.1をキープしてた。<br> 国内でも海外でもヒーロー活動で高い評価をもらえてた。<br> 人々の希望となれた…と思う。<br> 後継者も選んだし、それは我ながらベストな人選だ。彼がきっと僕達の意志を継いで、次の『平和の象徴』となってくれる。<br> そして今、最後の敵を倒した。<br> かつて倒したオール・フォー・ワンや死柄木弔の思想と意志を受け継いだ、巨悪を。<br> だからもう、思い残す事はないんだ。<br> 視界の中で、僕の右腕と左脚が千切れて吹っ飛んで行く。お腹にも穴が空いて、そこから血やら何やらが噴き出していて。<br> …元々、右腕と左脚はもう限界だったからな。右腕と左脚は学生時代から酷使していたから、傷だらけでもうワン・フォー・オールフルカウルを保持していないと上手く動かなくなっていた。お腹の穴は、敵に決定打を入れるために腹部を犠牲にした。<br> 最後は気力だけで戦っていたんだ。<br> 残り火が消えて行く感覚を、遠くなる意識の中で味わう。<br> 敵が先に地面に落ち、他のヒーロー達に取り押さえられ拘束されるのを見ながら。<br> 僕の脳裏に浮かんでいたのは。<br>『あのさ…僕達って、付き合ってる…の、かな?』<br> 一週間前。<br> 身体の関係のある幼馴染に、勇気を振り絞って言った言葉。<br>『ああ!?何言っとんだ』<br> そして、それを聞いた彼の。<br><br>『んなわけねぇだろ。気でも狂ったんか、クソデク』
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