「お待ちしておりました。ケンイチさんの品物を心待ちにしているお客様が沢山いらっしゃるのですよ」<br><br>「もう少し、手に入れば良いのですが、貴重な物ばかりで中々手に入りませんで──申し訳ございません」<br><br style="background-color: rgb(193, 193, 193);">「いえいえ、あれだけの物をとなると、そうは簡単には手に入らないでしょうから、それも仕方ありません」<br><br><br> そのまま客間に通されて、俺のアイテムBOXから取り出された品物が、テーブルの上に並べられた。<br><br><br>「まぁ、これなんて素敵ですわ。お父様ぁ~」<br><br> プリムラさんが取ったのは、金メッキにカットガラスで飾られたブレスレット。中々、デザインが灑落ている。<br><br><br>「しょうがない娘だ。お前が取ってしまっては、お客様に回らなくなってしまうではないか」<br><br> ──と、言いつつ娘のおねだりには、かなり弱いマロウさんだ。<br><br><br>「プリムラさん。それは金色ですがメッキでして」<br><br>「メッキですか? メッキと言うと──水銀を使って金を貼るという……」<br><br>「その通りです。よくご存知で」<br><br> 本當は電気メッキで違うがな。<br><br><br>「そんな手間の掛かることを何故?」<br><br>「まぁ、作った職人が変わり者なのですよ」<br><br> 勿論、大噓だ。<br><br><br> 俺はアイテムBOXから蓋のついた白い壷を取り出して、低いテーブルの上に置いた。
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