理へかける言葉も巧みだった。彼女のこれまで生きてきた環境、歩んできた道の情報を入手することなど 彼にとって造作もないことだ。そこから彼女が求めるものを導き出して、演出する。 自分が彼女にとってどんなに大きな存在なのかと。自分こそが理を辛い日々から救いだし、彼女が求めてやまなかった穏やかな暮らしを約束した恩人であると 信じ込ませた。まだ幼い理への効果は絶大だったのだろう、彼女は最初僕に実の兄がいることを よく話してくれていたがそのうち全く口にしなくなった。九条さんの調教の結果だ。彼は言葉巧みに彼女に言い聞かせてた