病院へ着くと、楽と龍之介、理が既に待っていた。 すると、龍之介が険しい顔で、前に立った。「あのね…高校生の2人には見せられる様な状態じゃないんだ。それに、家族以外の面会は、ダメみたい。俺と楽は、保護者扱いで特例なんだ。理ちゃん、今日は休んで…2人を連れて行って」「………はい、分かりました…。一織さん、兄ちゃん。行きましょう」理の顔は、憔悴しきった様子。 曰く、先程3人で先に行った様だが、理が貧血を起こす程、精神的ダメージが酷いものだったとか。「大和くん、三月くん、壮五くん、ナギくん。外で待っていて。ごめんね、そして、陸くんを必ず支えてあげること」「七瀬は1回見たかもしれねぇが、病室で見ると、余計に辛く、痛々しいもんだから。泣くだけ泣け」頼り甲斐のある先輩。 その姿が5人の心を優しく包み込む。