「定期検診お疲れさん。この前の発作の 症状も残ってない」 どっかりとソウゴの横に座ったヤマトは肩を大きく回した。 「リクと相性がよさそうな薬を今回持ってきたから、ちと試してくれるか?」 そういって、机に置いたのはスズランの模様が入った小箱。 「今までの薬はリクの体に負担があっただろ?この薬はその負担が軽減される筈だ」 その説明を聞きながら、テンはぱかりと蓋を開けた。 「わぁ……!!色んな色がある…!!」 箱の中には赤・オレンジ・水色とカラフルな色が溢れていた。 「飲みやすい様に薬の周りに糖をまぶしてるからな」 得意気にいうが 「つまりは凄く苦いって事でしょ……」 じと……とテンはヤマトを睨む。 「大丈夫だよ、テンにぃ。薬は飲み慣れてるし!」 にこにこと笑うリクに対して、テンの顔は晴れない。 「りっくーん、おわった?」 ひょっこりと顔を出したのは、ソウゴのバトラーであるタマキだった。 「みっきーが、ケーキ焼いてくれたから一緒に食わねぇ?」 タマキの後ろには同い年のイオリが控えていた。 「ミツキのケーキ!!食べるっ!」 テンにぃも行こうっ!とテンの袖を引っ張った。 「天気がいいから、中庭のガゼボに用意してもらえ」 そうガクがイオリに声を掛けた。 「はい、ガク様」 頷くイオリに 「お前と、ツムギとミツキもそこで一緒に休憩しとけ。……折角の天気だ、息抜きも大事だろ?」 その一声に、イオリは頬を緩め 「ありがとうございます」 と気持ち足早に去っていった。