…むっ、胸さわったーー!?…黒崎に押し倒された状態で固まる由宇。黒崎から繰り返されるキス。頭の中だけが騒がしい。…っどーしよう……黒崎くんにきいてみ…そう思って黒崎を見るも、その目は熱を帯びている。緊張と恥ずかしさで意識が遠のいていく由宇。しかし、由宇は大事なことを思い出す。それは、下着が中学生時代に履いていた柴犬柄のパンツだということ。…ダサいやつ!!…由宇は我に返って黒崎を手で突き放した。 「終了っ、終了です!」そう言ってひとり布団にくるまり、背を向ける由宇。驚いた黒崎が「なんだよ急に」と言う。が、由宇の思考回路は完全にテンパっていた。…こんな下着見られたくないよ!……上もダサいスポブラだし…「こっちには…いろいろ…準備も…」そう言った由宇はしどろもどろ。すかさず黒崎が「なんの」と質問するが、由宇はつい、「…女子的にはたくさんありまして!」と語気を強めてしまう。そんな由宇の態度に黒崎もつい、「ワケわかんねぇ、こっち来い」と怒ったような口調で言った。2人の間に沈黙が流れる。 …今はケンカしたくないのに…由宇はそう感じていた。すると、「やりすぎたのか?」と少し声のトーンを変えた黒崎が由宇に尋ねた。「…嫌うなって言ったろうが」そう続けた黒崎。その言葉に、恐る恐る振り返った由宇。すると黒崎は不安そうな表情をしていた。由宇はその表情を見て黒崎が実は傷つきやすい性格なことを思い出した。…そうだ……黒崎くんてけっこう…そう思った由宇は、「…あ…たしに問題があるだけだから…」そう言いながら黒崎の背中におでこをペタンとくっつけた。由宇は話を続ける。「くっついてるの…とか…すき…だし…」…Hはすぐは…ムリだし…「…キスはいくらでも…したいから」真っ赤になって話す由宇。そんな表情の由宇に、振り向いた黒崎は唇を重ねた。…今だって……黒崎くんといれてうれしいのに……もっと進んだらどうなるのかな…由宇は黒崎とキスを交わしながらそんなことを思っていた。