俯いていた陸がゆっくりと顔を上げる。その瞳は強い決意が込められていた。先ほどとは違い、その言葉一つ一つが重く、ボク達に反対などさせないと言った意味も込められている様で。 「陸・・・でもそれは」 「もうオレは決めたんだ・・・天にぃみないに強くないし、力だってない・・・でも強くなるから。だから反対なんてしないで、天にぃ。まだ他の人の目とか怖いけど、皆がいてくれるなら平気だから、ね?」 陸はボク達の目を見つめ、にっこりと微笑む。ここまで言われてしまったらボク達はもう何も言い返せない。陸はボク達の間に体を滑り込ませて、「これから宜しくお願いします」 「まったく・・・」 「どうせ反対したって聞かないんだろ?こいつの弟だし」 「こちらこそ宜しくね」 それからと言うもの話は進み、陸に新しい軍服が届いた。漆黒の軍服ではなく、陸に合わせた深紅の軍服だった。陸は届いた軍服に腕を通すと、楽が陸の胸元に『鷲』のバッチを付ける。襟元を正し、ボク達は新たな一歩を踏み出した。不敵な笑みを浮かべた人物がボク達を見ていた事をまだボク達は知らなかった―