あの場所にはボクと龍、楽の三人しかいなかったはずだ。ボクが陸の名前を呼んだことも陸がボクの名前を呼んだ事もボク達三人しか知らないはず・・・・ あの場所にボク達以外の者がいたと言う事か・・・「天・・・合わせてくれるね?」 この人は何が何でも『神の子』と呼ばれている陸に会うつもりだ。これは命令だと言われたら従うしかない・・・どの道、陸を九条さんに会わせない様にするのは無理だと言う事か・・・「分かりました。ただ、彼はまだ他の人が怖いので八乙女隊長や十副隊長も一緒にと言う事を許可して頂けましたらと・・・」 「あぁ、良いよ?それぐらいなら構わないよ」 「有難うございます」 ボクは機尾を返し、扉まで向かうと、外に立っている警備兵に『TRIGGER』部隊の控室に居る楽と龍、それに陸をここに連れて来るように言付けをすると警備兵は急いで駆けて行った。ボクは暫く扉の前で立っていると、複数の足音が聞こえて来る。角を曲がってくると、凄く不機嫌な楽と、龍の腕の中で怯えている陸。何故こんな所に連れて来られたのか、訳が分からないと言った表情の龍が姿を現した。扉の前に立っているボクを見ると、楽が走り寄って来た。