『天にぃ、大好き』 花が咲いたような笑顔。 鈴みたいに弾む声でそう呼ばれると、愛しさに天の胸は高鳴った。 生まれつき疾患があり入退院を繰り返していたせいで、陸は同じ年頃の子供とはまるで違っていた。 学校にも通えずに、病室に閉じ込められている陸のことを同情する人も多かった。だけど陸は外の世界を遮断されてきたぶん誰よりも無垢で汚れがなかった。 『天にぃ、大好き』 『……ボクも大好きだよ』 春の陽射しの中に溶け込んでいるような二人だけの時間。 無邪気にすり寄って来る陸に応じ、天は困惑をひた隠しにしながらやさしい笑みをつくった。 天にとって陸だけが世界で一番綺麗な存在だった。「どうかしたかい、天?」 ふっと、天は飛ばしていた意識を引き戻した。 「何を考えていたのかな、キミの陸が目の前でこんなにおねだりしているのにね…」 忍びよった九条が、陸の身体を後ろ抱きに支える。 体勢を変えられ、窄まりの一番奥深くまで天を咥え込まされた陸は悲鳴をあげた。 「やっ……っ…んんッ…深…ッ」 反射的にいやいやと顔を振る陸に、嗜虐心を刺激された九条は、陸の華奢な腰を掴んで上下に揺さぶる。 「アアッ…!…それ、やだぁっ…」 涙が止まらずに、はらはらとこぼれる落ちる。 「大丈夫かい?」 泣きながら喘ぐ陸の耳元に下卑た笑みが囁いた。