「陸……そんなことが…」 天の瞳から、涙が溢れた。 ずっとずっと、会いたかった。そのためにアイドルになった。 会えたらきっと、幸せになれると信じていた。会えさえすれば、そこでハッピーエンドに繋がると、信じていたのに。 どうしていたか、ずっと気になってたけど、まさかそんなに酷い目に遭っていたなんて…… 陸のことを想うと、天は胸が張り裂けそうだった。 のうのうと何も知らずに生きていた自分が、情けなくて、苦しくて、悔しかった。「そんな事情が……なんとか力になれないかな?」 「ほっておけないだろ……」 龍之介と楽が、天の背を支えながら目を合わせている。 大和は、陸の消えた道の先に視線を向けた。 「……確かに、あの才能を潰したくないしな」 「ああ……僕も、そう思うよ」 音晴も大和の視線を辿るように、冷たい風の吹き抜ける道を見つめていた。