るちあ達がミケルが待つ異空間に通されたのは、それからしばらく後のの事だった。地上は未だ夜の闇に包まれているはずだが、この空間は黄金色の光が満ちあふれ、絶滅したはずの動物達が宙を漂っている。 るちあは波音やリナ、そして一足先にミケルの軍門に下った同僚や直接の主である御使い達と共に跪いて、ミケルの参上を待ちわびていた。もうじき、マーメイドプリンセスと絶対神の戦いは終わる。いや、るちあ達の苦悩に満ちた人生は終わる。あとは、御使いたちの道具として、彼女に尽くし、快楽を貪るだけのすばらしき日々が待っている。 不意に、頭上から光があふれてきた。るちあ達は微動だにしない。「残りのマーメイドプリンセス達も、我が軍門に下ったか」 光がやんだ頃、頭上から声が降ってきた。主たちを生み出した存在、絶対神ミケルの声だ。「では、残りの真珠を渡してもらおうか」「はい」 リナや波音と声を合わせながらるちあは自分の胸の真珠を差し出す。思えば、この真珠で海斗の命を救ってからるちあは数奇な運命に翻弄されてきた。だが、それも今日までのことだ。 わずかばかりの郷愁を振り切るようにピンク真珠は水色真珠、グリーン真珠と共にミケルの元に上っていき……最後には、その体に吸収された。「ミケル様。これも、お納めください」 蘭花がるちあの部屋から運び出したオレンジ真珠も又、ミケルの体へと吸い寄せられ、その体に吸い込まれていった。 直後、ミケルの体から光があふれる。 7つの真珠を吸収し、完全な存在になった証だろう。「すばらしい。これで、7つの真珠全てをそろえた力か」「おめでとうございます。ミケル様」 御使い達が恭しく祝いの言葉を述べ、「おめでとうございます」 マーメイドプリンセス達が跪いたまま頭を垂れる。「この力ならば地上を掃除し、一から作り直すこともたやすい」 誇らしげにミケルが言う。 その言葉に、るちあの心が少しだけ痛んだ。 だが、何の問題もない。海斗との過ごした思い出の地が消えることは寂しい。だが、海斗本人の思いも、主に与えられた快楽で簡単に忘れることが出来た。この郷愁も、主に抱かれている間に簡単に消え去るはずだ。「うっ……ぐっ……」 不意に、ミケル苦悶の声を上げた。「ミケル様?」「一体、どうされたのです?」 御使い達が怪訝そうな顔を出す。 比例を承知で顔を上げると、ミケルが顔をしかめて、胸元を押さえている。 その胸元からは、七色の光が漏れていた。