ワイワイと話を交わしながら、親睦を深める。 陸に対する認識が一致したのが、最初の3人の団結となった。 そして、ガッチリと3人が握手を交わす。 その上に、陸の手が柔らかく乗せられた。 大人たちの思惑とは別のところで、新生TRIGGERが誕生した瞬間だった。「あ、本番10分前だ。そろそろスタッフさん呼びに来るね」 「そうだな。……陸、兄貴から離れねーと…」 「ぇ……もうちょっと…」 「んもう。皆んなを困らせないの。…ちゃんと見てるから」 「ほんと?帰りは?オレのマンションに行く?」 「1人暮らししてるんだっけ?環境チェックに行かないとね。あと、ご飯をちゃんと食べてるかどうかもね」 「う。それは…」 兄と一緒に居られるかもという期待でお誘いしたのに、まさかの抜き打ちチェック展開になりそうで、陸の言葉が詰まる。 キチンと掃除も整理整頓もしているけれど、天のお眼鏡に適うかは別の話だ。 兄と言うより小姑だな…と楽は思ったが、それを表に出さなかったのは、先ほど視線だけで凍らされたからだ。