もし知っていると、今ここで自分がこの二人に話したら…… 何かが変わるのだろうか…。 この二人が、陸を救いだしてくれるのだろうか…。 どちらにせよ、今すぐに判断出来る物ではない。「……悪いが、知らないな……。」 「知らないって顔じゃねーだろ。」 「さっき似てるドールを知ってるって言ったじゃない。お願い、教えて!」 「頼む、狗丸。知ってることがあるなら教えてくれ。」 「………、」 どうすればいい…どうするのが正解なんだ…。 思考を巡らせるがトウマの答えは出ない。 了の恐ろしさを知っているからこそ、言えない。 「ボクの……、ボクの大切な弟なんだっ!」 「……弟?」 「天!」 「陸はボクの双子の弟なんだ!お願いします!陸の事、教えて下さい!」 陸、と、ハッキリとそう口から出された名前にトウマは息を吐く。 このままに、しておけない。「陸の事……探してどうするつもりなんだ?」 「…っ!やっぱり陸なの?!陸は無事?!」 無事か…と聞かれると、素直にうんとは言えない状態にトウマは口ごもる。 「どこか…どこか怪我してるの?!何があったの?どうやってあなたの所へ来たの?!」 「天!落ち着けって言ってるだろうが!狗丸、お前の言える範囲で良い。少しでも良いんだ。情報が欲しい。」 楽と、天の真剣な4つの瞳がトウマを貫く。 全ては言えない。だから言えることだけ言えば良い。 「……陸は、元気にしてるよ…」 「…本当に…?…、良かった…!……陸……やっと見つけた……!」