メーカーの売場づくりは分類から
ある分野に強いメーカーは、量販店や専門店に自分の売場を持っている。それは、顧客がメーカーのブランドに愛着があるので、小売店が売場をブランドごとに分けているからだ。家電量販店のケータフロアは通信会社ごとになっているし、ドラッグストアのメイク用品コーナーは化粧品ブランドごとになっているだろう。
このようなブランド売場は、メーカー自身が売場を作っている場合が多い。そこにいる店員も実はメーカーの派遣社員だったりする。あたかも量販店や専門店はメーカーのブランド売場の集合体のようだが、売場づくりに関しては、まだまだ売場担当の個人の経験と勘にまかせっきりのメーカーが少なくない。
そこで今回から少し、メーカーが自社の売場に来店客を引き付ける売場づくりについて探ってみます。
まずは、MD分類の再構築からはじめましょう。どんなメーカーでも 自社製品が1型しかない場合は少なく、サイズ、色、機能、価格・・・など同じブランド商品でも多種多様のはずです。
たとえばウォークマンでもMD、テープ、HD、メモリさまざまなタイプが あります。
さて、メーカーが売場をつくる場合、まず売場構成しているエレメントを整理することから始めます。商品、持ち込みPOP、DVDビジョンやスピーカーなどのSPツールの全容を整理することから始めましょう。
次に、顧客がどんな視点で自社ブランドの商品を購入するか考えましょう。
サイズ→色→グレード・・・の順に購買選択するなら、そのように並べます。
大きいサイズ、小さいサイズで棚を大くくりし、次に右から白、赤、緑・・・とか並べます。最後に白の中でスーパーとスタンダードの商品に分ける・・・というように売場を細分化していきます。
そして、商品を並び終わった後に、それに適したPOPをつけていきます。
肝心なのは、自社の都合に合わせた商品分類よりも、客の都合に合わせた商品分類の方が、よく売れるということ。
例えば、お茶メーカーは以前、ギフト商品は価格別に商品を陳列していました。
1000円のお茶、3000円のお茶・・・というように。
でも、客の嗜好が多様化した今は、産地別、製法別、用途別に並べた方が、客の選択欲が高まり、ショッピングしてもどんなお茶にしようか買い物が楽しいはずです。
メーカーのブランド売場づくりは客の視線に合わせて商品分類を考えることからまずは始めましょう。