双子を眺めながら、楽と龍が話していると、氷の視線が容赦なく飛んで来た。「ボク、が、何?」 「なんでもねーよ。…あ、そうだ。すき焼き俺たちにも食わせろよ」 「やだ。ボクが料理を作るのは、陸にだけ」 「即答⁈」 「オレも……天にぃのご飯、他の人に食べて欲しくない…」 「りく…」 ちょっとした思いつきに、双子の互いの束縛合戦が始まって、ついに楽が切れた。「………だーっ!こんのバカップルが‼︎」 「楽さん、酷い!天にぃはバカじゃないもん!」 「陸くん、たぶん突っ込むとこ、そこじゃないと思う…」 カップルを否定しない陸と、何故か勝ち誇った笑みを浮かべる天。 この指摘は強ち間違いじゃなかったのかもしれないと、楽と龍の背中に冷や汗が伝った。「ま、機会があったら、2人に陸と一緒に手料理を作ってご馳走するよ」 「え、オレも?」 「一緒にあげるなら、良いでしょ?」 「あ。確かにそれなら…良いかも」 双子の天使に見つめられて、楽と龍は無意識に頷く。 自分たちが同意したことに気づいた2人は、双子の引力の強力さに、畏怖さえ覚えた。「じゃ、じゃあ、その前に、俺が2人沖縄料理ご馳走するね」 「ほんと?龍さんのご飯、美味しいんだよ!」 「そうなんだ。楽しみ」 「おい、俺は?」 「楽ももちろん、招待するってば」 「なら、良い…」 「……寂しがり屋だね、リーダー」 「ぁあ⁈」 「まあまあ、2人とも…」