「それではこちらお渡しさせて頂きます。おめでとうございます。お身体に気をつけてくださいね。」 「…はい…ありがとう、ございました…。」優しいお姉さんが手渡してくれたのは二冊のピンクの手帳。受け取る時の手は震えていたのいたと思う。それくらい緊張していた。 少し眺めた後にすぐにカバンのチャックの着いたポケットの中へとしまう。 これの存在は誰にも知られてはいけない。 でも隠し通すのも寮で暮らしている陸にとっては難しい事なのは十分理解していた。(どうしよう…)母子健康手帳と書かれた小さな手帳が異様なほど重く感じた。体の不調を感じ始めたのは2週間前のことなんとなく体がダルいと感じるた最近は仕事で忙しくしていたため全く感じていなかったが、仕事も落ち着き久々のオフという時だった。(…疲れ…かな?ここのところ忙しかったし)