マリオネの登場により、日色が入浴していたイヴェアムと鉢合わせしたということが明るみに出てしまった。
無論故意でそんな場面に出くわしたわけではない日色なのだが、おいそれと他人に話せる話題でも無かった。だからここへ来た時、リリィンたちに何かあったのかと問われはしたが無視していた。
だが残念なことにそれはマリオネの登場で無駄になる。そしてその話に最も食いついたのがリリィンだった。
今彼女が醸し出している雰囲気は明らかに不機嫌だった。何故そこまで態度を豹変させたのか日色には理解できなかった。
「さて、詳しいことを聞かせてもらおうか」
リリィンの迫力に、問い詰めようとしていたマリオネでさえ一歩引いてしまっていた。
「……そうは言ってもな。……事故だぞ?」
「ほほう、なら貴様はあの女の裸を見たということか?」
「それは……」
「ど、どこまで見た?」
「は?」
「どこまで見たと聞いているのだ!」
「……何故お前にそんなこと言わなければならないんだ?」
もしこれがイヴェアムなら、正直に答えるだろう。明らかにこちらに非があるので、謝罪の意味も含めて質問には答える。
だがリリィンに言う義務は無いだろうと思い、不愉快そうに眉をひそめた。
「いいから答えろ!」
「断る。お前には関係無いだろ」
「なっ!? う、うぅ~」