少女は中を覗き込み、陸の姿を発見すると陸の方へと一目散に駆けていき、陸に抱きついた。「え?あ、理ちゃん…?」 「はい!」にっこりと微笑む理を見て、陸は戸惑った。 どうしてここに居るのだろうか。 同じスタジオに天が居て、撮影の見学でもしているのだろうか。 陸はそう考えていると、メンバーが理を見て微妙な反応をしていることに気づいた。「みんなどうしたの…?」 「七瀬さん。その方は、理という名前なのですか?」 「え?う、うん。そうだけど…」陸にとって理は天の妹という認識であるが、一織をはじめとした他のメンバー達はその少女は彼にすごく似ているという印象を持った。 そして名前は理というらしい。 その名は彼に聞いた生き別れの妹の名前と一致している。「なあリク。その子ってもしかして――」 「!!理!!」大和が陸に理のことを訪ねようとしたとき、楽屋の扉の方から大きな声が聞こえた。 それはメンバーが思い浮かべていた彼、環の声だった。