後日、偶然彼女と天くんが一緒にいた時にばったり出くわしてしまう。正直前の恐怖が消えたわけではないが、少なくとも彼女には励まされたのだ。そのお礼を述べないままなのは悪いと思って声をかけたら彼女は驚くべきこと言う。「えっと、どなたですか・・・?」 「え・・・?この間、泣いていた私に声をかけてくれて・・・」 「うーん・・・私、そんなことしたかなぁ?・・・ごめんなさい。あなたとはやっぱり初対面みたい。」 「どうし・・・」どうしたのと尋ねようとした私の耳元に天くんがそっと囁いてくる。「陸が“知らない”んだ。きっと君は陸を怒らせたんだね。ならばこれ以上はボクらに関わらないほうがいいよ。」無事に過ごしたければ。なんて言われれば私はその場で立ち尽くして怯えるしかなかった。「天にぃ!」 「ふふ、陸はすぐにヤキモチ焼くんだから。可愛い子。」 「むぅ。」 「そんな顔したって可愛いだけだよ。」