「何してたの。探したんだよ?」 「ごめんね、てんにぃ。オレも良く分からないの。気がついたらここに居たから。」 「寒くない?大丈夫?」 「うん、大丈夫だよ?てんにぃこそ大丈夫?汗がいっぱい」 「りくを探して沢山走ったからね。」 もう何処にもいっちゃダメだよ。 そう小さく呟いた天は、陸が隣にいるのだと実感したくて、安心したくて、ぎゅうっと小さな陸の体に腕を回し抱きしめる。 そんな天を不思議に思いながらも、陸はふふっ、と笑ながら天を抱きしめ返した。 暖かい陸の体。 この温もりを無くしたりなどしないし、誰にも渡さない。「ねぇてんにぃ?このお家、入ってみようよ。」 「え……?」 「ここのお家、なんだか美味しそうな匂いがするの。」 「ここ……?」 陸にそう言われた天は、陸がじっと見つめていた家を改めて見てみる。 先ほどは陸に気を取られていたせいで良く分からなかったが、まじまじと見てみるとそこには可愛く着飾られた小さな家があった。